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全国里親委託等推進委員会

2013年2月

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子どもと子育てをめぐる社会環境が大きく変化する中で、虐待を受けた子どもなど、保護者の適切な養育を受けられない子どもが増えており、そのような子どもたちを社会全体で公的責任をもって保護し、健やかに育んでいくことが強く求められています。
 このため、社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会において、平成23年7月「社会的養護の課題と将来像」がとりまとめられ、社会的養護の目指すべき方向性が示されました。この中で、社会的養護の質の向上を図るため、施設など種別ごとの理念を示す指針を作成することが求められています。これを受け、平成24年3月「里親及びファミリーホーム養育指針」(以後「養育指針」と記載)をはじめ、「児童養護施設運営指針」「乳児院運営指針」など6つの指針が定められました。
 養育指針は、里親及びファミリーホームの養育者(以後「里親等」と記載)が社会的養護のさまざまな担い手との連携の下で、社会的養護を必要とする子どもたちへの適切な支援を実現していくことを目的としています。このため、養育指針には、子ども期における生活体験が発達の基礎となり、その後の人生に向けた準備であるという視点に立ち、里親等で暮らしている子どもたちがよりよく生きられることを保障するとともに、里親等が社会に開かれたものとなり、養育のモデルを示せるような水準となれるよう、社会的養護を担う里親等に求められている養育の理念や方法、手順が示されています。
 本書は、養育指針の内容を掘り下げるとともに、事例を通じて里親等が自分の養育に引きつけて考えられるよう、また児童相談所や里親支援機関等の支援者が、里親等と子どもの感じ方やニーズを知り、支援の参考とできるようにしました。
 本書が、里親やファミリーホーム並びに児童相談所や里親支援機関等の方々にとって、「子どもの最善の利益のために」という理念のもと、養育や支援について考えるときに活用され、多くの子どもの幸せにつながることを願います。
 最後に、事例収集のためのインタビューにご協力いただいた里親の皆様と、資料を提供してくださった関係機関の皆様に厚くお礼申し上げます。

<目 次>

家庭養護のあり方
1. 特定の養育者との地域の一員としての生活  6
2. 生活の共有を通しての生きる力の育成 8
3. 養育をひらき、周囲とつながる意義 10
4. 固有の子育て観にとらわれない養育 12
5. 自分を他者にゆだねた経験があってこその自立  14
6. ファミリーホームにおける家庭養護のかたち 16
7. 親族里親が地域や相談機関とつながる必要性 18
8. 法的に安定した関係を保障する養子縁組 20
9. これからの里親会の役割 22
10. 養育チームの一員としての養育者 24

養育の基本
11. 子どもの権利擁護の担い手としての里親 28
12. 他者に助言や協力を求めることの重要性 30
13. 児童相談所からの助言や支援 32
14. 子どもが意見や苦情を出しやすい環境づくり 34 
15. 守秘義務と周囲への理解の求め方 36
16. 子どもと養育者の財産である記録 38
17. 養育の基本となる自立支援計画 40
18. 体罰の禁止  42
19. 家庭内での虐待予防 44
20. 養育の行き詰まりへの対処方法 46
養育の開始
21. 委託打診が来たときに検討すべき事項 50
22. 委託前の交流 52
23. 養育開始にあたって大事なこと 54
24. 養育者の家族や他の子どもへの説明や配慮 56
25. 中途養育に見られる課題 58
26. 新環境に適応する過程における子どもの行動 60
27. 家庭の約束ごとと子どもの合意 62
28. 子どもにとっての実名の重要性 64
29. 幼稚園・保育所や学校との関わり方 66
30. スムーズな医療の受け方 68
31. 健康管理と災害時の安全確保、児童相談所との連携確保 70
32. 里親同士の情報交換の大切さと留意点 72

子どものルーツと実親との関係
33. 生い立ちを子どもとともに受け止める重要性 76
34. 子どものルーツと子どもへの支援
35. 子どもにとっての実親の存在
36. 忠誠葛藤~実親と里親の間で揺れる心
37. 実親の権利・義務
38. 実親との交流・調整
39. 子どもと実親のために里親ができること
子どもの行動の理解と援助
40. 子どもを育む安定した生活 92
41. 子どもが自分の気持ちを表現できる環境づくり
42. 子どもの行動の理解と専門機関への相談
43. 他の子どもや実子への配慮の仕方
44. 家庭養護における子ども同士の育ち合い
45. 学ぶ楽しさを取戻し、社会性を育む
46. 性の課題への適切な対応
47. 長期的な視点を要する進路選択
48. 措置解除後の子どもへの支援
地域や社会とのつながり
49. 子どもの最善の利益を育むパートナーシップ
50. 地域の社会資源とのつながり方
51. 地域の一員である里親と地域社会との連携
52. 里親同士の横のつながり
53. 研修の必要性
54. 孤立化を防ぐ養育者間の振り返り
55. ファミリーホームにおける自己評価と第三者委員の活用… … 124
巻末資料
・ 里親及びファミリーホーム養育指針 128
・ 民法等の一部を改正する法律の概要(厚生労働省 150
・ 児童相談所長又は施設長等による監護措置と
 親権者等との関係に関するガイドラインについて(概要 154
・ 自立支援計画書・養育状況報告書(東京都の見本) 156
執筆者一覧(全国里親委託等推進委員会 小委員会)
 太田 真実 厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課児童福祉専門官
 奥田 晃久 東京都児童相談センター相談援助課長
 木ノ内博道 全国里親会副会長
 西野奈穂子 全国里親会研究員
◎林  浩康 日本女子大学人間社会学部教授
 卜蔵 康行 日本ファミリーホーム協議会会長
 宮島  清 日本社会事業大学専門職大学院准教授
 村田 和木 ライター
 山本真知子 日本女子大学大学院博士課程後期(JSPS特別研究員)
 横堀 昌子 青山学院女子短期大学子ども学科准教授
                        ※ ◎は座長